一瞬之美
よく「一生モノ」という言葉を聞く。でも、それは実を言うと一瞬一瞬の積み重ねではないかと思う。
見た瞬間、触った瞬間、使った瞬間
その一瞬「いい」と思った感動が長く使われ、永く残っていくことにつながっている。
もちろん「美」とは見た目だけではない、使い勝手や調和などに感動することに他ならない。
はじめから「一生モノ」なんてものはないし、ちょっとお仕着せがましい感じもしてしまって。。。
それよりも今、この瞬間を大切にしたい。
「一生モノ」でなくて「一瞬モノ」
そんな家具作りをしていきたいと思っています。
極用至美
「用を極めて美に至る」
これはある道具の博物館で出会った言葉です。「機能性を追求すればおのずと優れたデザインになる」と、私なりに解釈しています。
有名なアメリカ人建築士が発した「形態は機能に従う (form follows function)」という言葉よりも、なぜか私には腑に落ちて、「極用至美」と勝手に漢文調にさせて頂きました。
「うわべだけ」、「流行っているから」、「なんとなく」という装飾には興味がなく、その結果つなぎの家具には「直線的」なデザインが多いのかもしれません。
家具の構成要素すべてに対し、
「何のためにあるのか」 「本当に必要だろうか」という自問自答を常に繰り返し、
お客様との打ち合わせから得られたご要望を機能に落とし込んだ家具を作っていきたいと思います。
古今東西
骨董品も好きだし新製品も好き、アジアは何度も訪れたしヨーロッパにも多いに興味がある。
さまざまな趣味嗜好、自分なりに見てきたこと聞いてきたこと、考えたこと
それらが混ざり合った結果を、家具で、工房の空間で表現していきたいと思っています。
でも、私は日本人。ベースはきっと「和」
主張しながら謙虚に、ミクロにこだわりながら時には引いて眺めてみる。
そんなことを繰り返しながら、「一点」を模索しています。
ありふれているけど、「バランス」としか言いようがないのかな。
「バランス」を大事にしながら家具を作り、日常を生きています。
上質日常
店頭に並ぶ「消費家具」とは異なり、かといって高価で飾って楽しむ伝統工芸品とも異なります。
きちんと作り少々の手間はかかるが、
あくまで、普段使い、家族で使ってほしい家具を目指しています。
時がつくる多少の傷もよごれも気にしない、
でも、見るたび、使うたび、またその存在自体に、いつでも小さな喜びを感じることができる。
「顔の見える」お客様が奏でる「上質な日常」をお手伝いしたいと思っています。